おジャ魔女どれみ全話座談会【無印編②】

前回
ojamajozadan.hatenablog.com

第4話「みんな魔女なら怖くない」

【清盛】タイトルがいいね。女子小学生の姦しさが出てる。

【みか】連れション的というかね。まあ、この「いっしょ」みたいなテーマは1期全体で通底しているよな。大体どれみが問題を持ってきて、それに対してみんなでやれば何とかなるでしょう、みたいな。

【清盛】この回は、2・3話でも描かれてはいたんだけど、はづきとあいこの魔女になりたいモチベーションが大事。はづきは「好きな服を着たい」。あいこは「お父ちゃんに楽させたい」。

【みか】これがさ、回を経ることにどんどん二人の願望の解像度が上がっていくんだよな。

【清盛】自分たちの悩みが実際なんなのかってのがまだ分かってない感じするよね。小3だとまだ「自分の意見を主張したい」みたいに抽象化できないから、服や眼の前にいる父親みたいな具体的なものとして表現されてしまう。

【ホリ】「まどマギ」みたいな。願いを一つ叶えられるとして、何を願えばいいかわからないっていうね。

【みか】まどかはそういう衝動すらないけど、この子らは小3だから衝動はあるんだよな。

【ホリ】やっぱどれみってそういう等身大の小学生を描き続けるところが本当に凄い。

【みか】あとこの回は、どれみの劣等性が強調されるよね。

【清盛】どれみが先輩風吹かせるんだけど、あいこはホウキにうまく乗れるし、はづきも魔法をちゃんと使えて、一瞬で追い抜かされちゃう。

【ホリ】でもはづきは着替えができないし、あいこは呪文が覚えられないって描写があったぞ。

【清盛】確かに。っていうかはづきとあいこがこういう間抜けな失敗するのも珍しい気がするな。

【みか】まあ、みんなでそうやって足並み揃えて、三人でおジャ魔女だよってのはありつつ、どれみが色々失敗するんだけどケロってしてるってキャラクター性は確かにここで描かれてる。今後もこれは一貫するんだけど、どれみのポジティブさの裏側みたいなのが描かれる回が三期でありますよね。俺そういうのめちゃくちゃ好きなんだよな。

【清盛】わかるわかる。「どれ虐」的な。

【ホリ】あとこのどれみの失敗のシーンだけど、魔法を曖昧な指定で言うと失敗するってのは伏線だよね。これによってマジカルステージの説得力が増している。曖昧な願いでもマジカルステージなら叶えられるっていう。

【みか】マジカルステージ、絶対裏に女王様が居て手動で叶えてるだろ。


【清盛】この回はMAHO堂が改装される。

【みか】MAHO堂を明るく改装することによって、1話の陰気臭い魔法のイメージがポップな感じに塗り替えられた。子どもたちもワクワクしただろうなあ。

【ホリ】三人揃って改装するって流れはめっちゃ美しいな。

【清盛】そろそろエンディングの話するか。

【みか】喧嘩したあとのモヤモヤした時間を引きずって、MAHO堂に辿り着く。ここが彼女たちの絆の中心地だって示されてるんだよな。

【ホリ】MAHO堂の前の柵がめっちゃいいなと思う。その横にまっすぐな道が伸びてて、どれみが目に涙を溜めながら走ってる。凄い絵になるよね。

【みか】強い願いを持った人間がMAHO堂に吸い寄せられるって設定も結構好きなんだよな。

【清盛】5話でその設定出てくるし、そろそろ次行くか。

第5話「新装開店!MAHO堂

【みか】小竹回であり、初めてのクラスメイト回。

【清盛】小竹って、これまではどれみから見た顔しか見せてこなかった。好きな子にちょっかい出したくなるみたいなよくあるクソガキ。でも、この回ではナイーブな面を見せてくれる。

【みか】不良が犬を拾ってたみたいなテンプレなのかなって最初思ってたけど、むしろこっちこそが小竹の表の面だよな。

【清盛】どれみに見せてるような顔は特殊な面なんだよ、実は。

【みか】で、小竹が悩みを抱えてMAHO堂の前に来る。この設定凄い好きなんだけど、あんまり活用されないよな。ほかに使われるのは3期の25話くらいか。

【清盛】「どれみ」の話って、型みたいなものがないよね。クラスメイトがそれぞれ悩みやトラブルを抱えて、どれみたちがそれに介入していくっていう大枠はあるけど。この設定もテンプレ―トに使えそうな気もするのに、意外と使われなかった。

【ホリ】そういえばこの回から魔法グッズが出てくる。

【清盛】魔法グッズって何なん? なんでこいつら買いに来てんだよ。

【ホリ】まあ、女子小学生っておまじないとか流行る時期があるからね。

【みか】いや、わかるよ。「CCさくら」でもそういうのあったし。でもさ、これ大人が買いに来てんだよ。

【ホリ】ロリコンなんでしょ。

【みか】小学生3人が売り子してる店に大人が買いに来る構図、冷静に見なくてもヤバいと思うんだけど、よくこの画を通したなと思う。

【清盛】いやいや、それはお前みたいな汚い大人の見方であって、小学生はお店屋さんごっこしたいだけなんだよ。

【ホリ】そうなんだよ。根本はごっこ遊びだからね。マジョリカは経済的に苦しいことを常に強調するけど、結局どういう会計になってるのかは全然わかんない。

【みか】まあ確かに金勘定とか汚い部分はマジョリカという大人が背負っているんだっていう風に見せかけてはいるんだけど、そういう金の絡んだ問題にすらどれみたちは巻き込まれてるっていう風に考えるとめちゃくちゃグロいよね。

【清盛】これ、無賃労働ですからね。

【みか】まあ一応魔法玉貰ってるけど。

【清盛】いやいや、ペリカみたいなモンよそれ。

【ホリ】MAHO堂の経営がうまくいってるのは、やっぱ人件費ゼロで済んでるからなんですよ。

【清盛】いや〜汚い話が長くなっちゃった。違う話をすると、小竹がどれみの作った魔法グッズだけ買っていくっていう、この後も恒例になるくだりが初めて登場する。

【みか】どれみは魔法グッズ作りも下手。芸術的センスすらもなかった。

【ホリ】小竹がどれみのグッズを買うことと、子犬を助けることって同じだよね。弱い存在を助ける心を持っている。

【みか】そうなの!? 小竹ってどれみが弱い存在だから買ってあげてんの?

【ホリ】まあ次の話でもどれみは犬扱いされるから。

【清盛】あとこの回、千葉千恵巳の演技が特殊だったり、我々の知ってるどれみとちょっと違うところあるよね。

【みか】「おい」とか「お前」とか、ここ以外で聞いたことないわ。

【清盛】このどれみが緊縛される問題シーン、こういうお色気も1期だとここでしか見られないよね。

【ホリ】これお色気と言っていいのか?

【みか】いや、俺は初見時は興奮したよ。

【清盛】こういうみかんばこみたいなキモいおじさんの支持を絶対見込んでるだろ。

【ホリ】確かに言われてみるとヤバいな。こんなんやりすぎたらバレるからここだけにしたのかな。

【みか】関弘美とかに怒られたんすかね……。



続き
ojamajozadan.hatenablog.com